ふわふわの毛に愛らしいまんまるの瞳――エゾモモンガを見て「こんな子をペットにできたら…」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、「エゾモモンガ ペット」と検索されるほど、その人気は高まっています。
ですが、エゾモモンガは北海道の自然の中で暮らす野生動物であり、私たちが簡単に飼える存在ではありません。
法律や自然保護の観点からも、特別な配慮が必要とされています。
この記事では、エゾモモンガをペットとして迎えることができない理由や背景をわかりやすく解説し、代わりに飼えるモモンガの種類や飼育の注意点についてもご紹介します。
「エゾモモンガを知りたい」「でも飼ってもいいの?」と気になっている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
エゾモモンガはペットにできる?

日本でエゾモモンガを飼うのは違法?

エゾモモンガはとっても可愛らしく、思わず「飼ってみたいな」と思う方もいるかもしれませんね。
ですが、日本ではエゾモモンガをペットとして飼うことは法律で禁止されています。
エゾモモンガは北海道の自然の中で暮らす野生動物です。「鳥獣保護管理法」という法律で守られていて、勝手に捕まえたり飼ったりすることはできません。
また、似た種類の「タイリクモモンガ」も、特定外来生物に指定されていて、輸入や飼育は法律で禁止されています。これは、在来のモモンガと交ざってしまい、自然のバランスが崩れるのを防ぐためです。
違反した場合は、罰則があることもあるので注意が必要です。
どうしてもエゾモモンガに会いたい方は、動物園や観察ツアーを利用するとよいでしょう。
エゾモモンガの寿命や性格は?
エゾモモンガは、ふわふわの毛とつぶらな瞳が魅力の小さな動物です。
暮らし方や性格にも、いくつか特徴があります。
まず、エゾモモンガは夜行性で、夜に活動します。昼間は木の穴などにある巣で静かに過ごしています。とても警戒心が強く、大きな音や人の動きに敏感に反応します。
性格は少し臆病ですが、仲間とは一緒に行動することもあります。かわいらしい見た目とは裏腹に、とても繊細な心を持った生きものなんですね。
寿命は、野生では3〜5年ほどといわれています。飼育下のデータは少ないですが、自然の中での寿命を考えると、長く生きるのは難しい面もあるようです。
項目 | 内容 |
---|---|
性格 | 臆病で繊細な性格 |
活動時間 | 夜に活動する夜行性 |
寿命 | 3〜5年ほど(野生の場合) |
暮らし方 | 木の上で生活し、仲間と一緒に過ごすことも |
エゾモモンガは、とてもデリケートな存在です。
だからこそ、自然の中で元気に暮らしている姿を、そっと見守ってあげたいですね。
飼育できない理由とその背景
エゾモモンガを飼うことが難しい理由は、法律だけではありません。命ある動物としての“自然な暮らし”を守るために、私たちが配慮すべき背景がたくさんあります。
観点 | 内容 |
---|---|
環境依存度が高い | エゾモモンガは自然の樹木を使い、高所で滑空することを前提に生きているため、人工的な環境では本来の行動が制限されてしまいます。 |
社会的・生態的な繊細さ | 同じ巣で冬を越すなど、野生ならではの群れ生活やリズムが重要です。個別に隔離して飼うことで、強いストレスがかかるおそれがあります。 |
生息地のつながりが必要 | 木から木へ滑空して移動するため、森林が断絶されると繁殖や採食が困難になります。これは飼育環境でも同じです。 |
すでに減少傾向にある種 | エゾモモンガの生息数は減少しており、森林の分断や温暖化など、人間の影響が保護対象としての背景にあるのです。 |
このように見ていくと、エゾモモンガは「飼えない」のではなく、「飼うべきではない」とされる理由が自然な形で見えてきます。
もっと言えば、私たちがかわいらしさに心を動かされるのは自然なことですが、その感情を“守りたい”という形で生かすこともできるのではないでしょうか。
環境保護や観察マナーを守ることは、間接的にエゾモモンガの未来を支える行動になります。飼うことではなく、そっと見守る選択もまた、やさしさの一つだと思います。
ペットにすることで起こりうる問題

たとえ法律的に飼えたとしても、エゾモモンガを家庭で飼うには多くの現実的な課題があります。
問題点 | 説明 |
---|---|
夜行性の生活リズム | 夜にしか活動せず、昼間は巣穴で静かに過ごすため、生活のズレが大きくなります |
繊細な性格とストレス | 臆病で警戒心が強く、音や環境の変化で強いストレスを感じやすい性質です |
飼育条件の難しさ | 樹木環境を模したケージや高い滑空スペースなど、自然に近い飼育環境を整えるのは困難です |
健康管理の課題 | モモンガ特有の病気や栄養管理が難しく、かかりつけの動物病院が少ないことも心配です |
つまり、家庭で飼うには素材、環境、医療、生活のすべてにおいて高いハードルがあります。大切な命を守るためにも、現時点ではエゾモモンガを飼うのではなく、自然の中や公的な保護施設でその姿を尊重しながら観察する方法をおすすめします。
エゾモモンガの代わりに飼える動物と飼い方

フクロモモンガはペットにおすすめ

フクロモモンガはその愛らしい容姿だけでなく、飼い主に慣れやすい性質を持つことから、ペットとして近年人気が高まっています。ただ、飼育難易度は決して簡単ではないため正しい知識が大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
なつきやすさ | 人のにおいを覚えやすく、根気よくふれあうと慣れる個体が多いです |
社会性 | 野性下では群れで暮らす習性があるので、多頭飼育やスキンシップがストレス対策になります |
種類と値段 | 色によっては特に珍しいカラー(アルビノやリューシスティック)は10万~30万円ほどします。一般的なブラウンやグレーは1.5万~3万円が相場です |
寿命 | 飼育環境が整えば5〜10年、稀には12年近く生きる例もあるため責任ある長期飼育が必要です |
もちろん、初めて飼育する際には、夜行性・温度管理・病院対応などの心構えが不可欠です。深い愛情と準備があれば、かけがえのないパートナーになれる魅力あふれるペットです。
モモンガの飼い方と飼育環境の注意点
フクロモモンガを迎える場合には、適切な環境とお世話の体制を整えることが求められます。
注意点 | 内容 |
---|---|
ケージ | 高さと広さが大切で、できれば高さ40cm以上の金網またはアクリル製ケージを用意します。天然木の止まり木や上下運動用のステージも必要です |
温度・湿度 | 適温は25〜28℃、湿度50%程度。夏冬共にエアコンやヒーターで安定した環境を維持しましょう |
食事 | 市販のモモンガ専用フード(例:ひかりモモンなど)を基本に、昆虫や果物を副食として与えます。糖質過多に注意し、栄養バランスを整えてください |
清掃と健康管理 | トイレは覚えないため、ケージ底にペットシーツやチップを敷いてこまめに掃除します。爪切りや月1回の全体洗浄、動物病院の確保も重要です |
コミュニケーション | 夜行性なので夕方~夜に遊ぶ時間を確保。スキンシップや遊ぶ習慣が長い信頼関係を育みます |
飼育には、継続的な注意と愛情が求められます。旅行や外出時には代わりの世話人を確保し、温度管理が途切れないよう配慮する必要があります 。
フクロモモンガは小さな存在ながら、お世話に責任を持つことで、その愛らしい日常を長く楽しめるパートナーになります。準備をしっかり整えた上で、お迎えを検討してくださいね。
モモンガの値段と購入場所の相場
モモンガを初めてお迎えしようと考えている方にとって、費用や購入先は気になるポイントですよね。ここでは代表的な種類であるフクロモモンガとアメリカモモンガの価格と入手方法をわかりやすくまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
一般的な価格帯 | 15,000円〜30,000円程度(ノーマルカラー) |
珍しいカラーバリエーション | アルビノ・リューシスティックなどは10万円以上になることも |
主な購入先 | ペットショップ、エキゾチックアニマル専門店、または信頼できるブリーダー |
確認すべき点 | 健康状態・性格・飼育歴・親の情報などを事前にしっかり確認しましょう |
最近では、ネット販売を行うブリーダーも増えていますが、直接会って様子を見られる実店舗や対面販売が安心です。ブリーダーからの購入は飼育アドバイスが受けられる点も大きなメリットです。
一方で、安すぎる価格には注意が必要です。健康状態が不安定な個体や、販売後のサポートが不十分な場合もあるため、価格だけで判断せず、販売者の信頼性を重視してください。
初心者に必要なモモンガ飼育アイテム

モモンガとの暮らしを始めるには、専用の環境づくりがとても大切です。ここでは、初心者の方が準備すべき基本アイテムを整理しました。
アイテム | 役割とポイント |
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ケージ(高さ重視) | 滑空を想定し高さ60cm以上の縦長タイプが理想的。網目が細かく、脱走しにくい設計を選びましょう。 |
寝床(ハンモックや巣箱) | 木の穴のような安心空間が必要。吊り下げ型や布製ポーチが人気です。 |
止まり木・遊具 | 運動不足解消とストレス予防に。自然木製が理想で、安全性を重視しましょう。 |
餌入れ・給水器 | 転倒防止の安定タイプや、ボトル式給水器で衛生面も配慮できます。 |
床材・ペットシーツ | 汚れやニオイを吸収する木製チップやシーツを活用し、こまめに交換を。 |
専用フードと副食 | モモンガ専用ペレットを中心に、果物・昆虫などを組み合わせて栄養バランスを整えます。 |
特にフクロモモンガは夜行性で活発に動くため、自由に遊べる空間と安心できる隠れ家の両方が必要です。日中は眠っているので、静かな場所にケージを置くと安心して過ごせます。
また、モモンガはとてもきれい好きな動物です。飼育環境が清潔であることが健康維持のカギになります。ペット用の空気清浄機を使う方もいるほどです。
エゾモモンガはペットにできる?法律と自然保護の観点から解説を総括
エゾモモンガは見た目のかわいらしさから「飼ってみたい」と思われることもありますが、実際には法律や生態の面からペットとして飼うことはできません。
その理由や背景を知ることで、この小さな動物がどれほど特別な環境で生きているかが見えてきます。
以下に、エゾモモンガを飼えない理由と、代わりに考えられる選択肢をわかりやすくまとめました。自然の中での暮らしを大切にする視点から、参考にしてみてください。
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日本ではエゾモモンガをペットとして飼うことは法律で禁止されている
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鳥獣保護法により野生動物として厳重に守られている
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タイリクモモンガも飼育禁止の特定外来生物に指定されている
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違法に飼育すると罰則の対象になる可能性がある
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観察したい場合は動物園や観察会を利用するのが安心
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エゾモモンガは夜行性で日中は静かな場所で眠っている
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警戒心が強く臆病な性格でストレスにとても弱い
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野生での寿命は3〜5年程度とされている
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木の上を滑空して移動するため自然環境への依存度が高い
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群れで生活するなど社会性があり単独飼育では強いストレスを受ける
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森林のつながりが暮らしや繁殖に重要で人工環境では再現が難しい
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森林減少や温暖化の影響で生息数が減少傾向にある
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飼育すると生活リズムや飼い主との時間が合わない可能性がある
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健康管理が難しく診療可能な動物病院も限られている
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代わりに飼えるペットとしてフクロモモンガが人気で情報も多い