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エゾリスの食べ物は季節で違う?1年を通じた変化と行動を解説

エゾリス 食べ物
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北海道の森で暮らすエゾリスは、四季折々の変化に合わせてさまざまな食べ物を取り入れています。

「エゾリスの食べ物」と検索される方の多くは、どんな季節にどんなものを食べているのか、どこに隠しているのか、またどのように森と関わっているのかに関心があるのではないでしょうか。

本記事では、春夏秋冬それぞれの時期に見られるエゾリスの主な食材や食行動の違いを詳しくご紹介します。加えて、巣づくりや天敵への対策、貯食と忘却がもたらす森への影響など、生態に根ざした行動についても丁寧に解説します。

季節によって変化する食性や、それに合わせた行動の工夫を知ることで、エゾリスの豊かな暮らしぶりに一歩近づけるはずです。

この記事の見どころ

  • 季節ごとに異なるエゾリスの食べ物がわかる

  • 食べ物を隠す「貯食」の行動とその意味がわかる

  • 森とエゾリスの関係や自然への貢献が理解できる

  • 巣やエサ台の工夫と設置の注意点が学べる

エゾリスの食べ物と季節の変化

エゾリス くり

春に食べる食べ物とは

エゾリス 春の食べ物春になると、長い冬を越えたエゾリスたちが、また活発に動き出します。

この時期、森の中でまず見られるのは、地面の匂いを嗅ぎながら何かを探している姿です。何をしているかというと、秋に自分で埋めておいた木の実を探しているのです。

秋にクルミやドングリをあちこちに隠したエゾリスは、それを思い出しながら掘り出して食べます。

この「貯食(ちょしょく)」の習性があるからこそ、エゾリスは冬眠をせずに冬を乗り切れるのです。

そして、春になると少しずつ雪が解け始め、ようやく隠しておいた食べ物に手が届くようになります。

運が良ければ、春の地面から顔を出すクルミをエゾリスが前足で持ってかじっている姿を見ることができるでしょう。

さらに、春は新芽や若葉など、植物の成長が始まる季節でもあります。

やわらかい木の芽やサクラの花、野草のつぼみなど、春だけに食べられる貴重な栄養源が出てくるのもこの時期ならではです。

一方で、冬の間に他の動物に先に食べられてしまったり、自分で隠した場所を忘れてしまうこともあり、思うように見つけられない日もあります。

このように、春の食事は「冬の残り物」と「春の新しい恵み」を組み合わせて栄養を補っているのです。

春の食べ物と特徴 内容・ポイント
クルミやドングリ 秋に土に埋めておいた実を掘り出して食べる。貯食行動の成果。
木の新芽・若葉 雪解けとともに芽吹くやわらかい葉や枝先。春だけのごちそう。
花やつぼみ サクラの花びらやつぼみも食べる。栄養と水分を補給できる。
昆虫の幼虫など 春になると活動を始めた虫を見つけて食べることもある。

夏の森で探す食料

夏の食べ物 エゾリス夏は、エゾリスにとってもっとも食べ物が豊富に見つかる季節です。

森の木々は緑が深まり、地面にはキノコが生え、木の実や果実が熟し始めます。

この時期のエゾリスは、日中も活発に行動して、さまざまな食べ物を探し歩いています。

中でもよく見られるのが、キノコを口にくわえて移動する姿。キノコはタンパク質やビタミンが含まれ、夏の栄養補給にぴったりの食べ物です。

また、夏には昆虫やその幼虫も多く見つかります。とくに、柔らかい繭やセミの成虫なども食べることが知られており、雑食性の一面が見られる季節でもあります。

そして注目したいのが、樹液や果実です。甘い味のする食べ物はエネルギー源になり、活発な動きを支えてくれます。

一方で、人の手から与えられたヒマワリの種やカボチャの種を食べる様子も観察されています。

公園や住宅地の近くでは、人間が置いたエサを食べに来ることもあるため、かわいらしい姿が見られる一方で、餌付けによる影響には注意が必要です。

つまり、夏は自然の食べ物に加えて、人間との関わりも強くなる季節。

この時期にしっかりと栄養を蓄えることで、秋の貯食や繁殖の準備にもつながっていきます。

夏の食べ物と特徴 内容・ポイント
キノコ 豊富に見つかり、栄養も満点。エゾリスの重要な夏の食料。
昆虫や繭、セミ 高タンパクな昆虫類も食べる。行動範囲が広がる時期。
樹液・果実 糖分を多く含み、エネルギー補給に適している。
ヒマワリやカボチャの種 人間から与えられる場合も。餌付けには注意が必要。

秋に集めて冬に備える食材

秋の食べ物 エゾリス

秋になると、エゾリスたちは一日中動き回って食料を集め始めます。

この時期に集めた食べ物が、長い冬を乗り切るための命綱になります。

森では、オニグルミやドングリが実り、地面に落ち始めます。

エゾリスはそれを見つけると、口や前足でくわえて、木の根元や枝の分かれ目、落ち葉の下などに丁寧に埋めていきます。

一見、無造作に見えるその作業も、実は彼らなりの記憶やにおいの感覚に頼った重要な行動です。

特にクルミは、殻が硬くて保存性が高く、害虫にも強いため、冬の主食として多く隠されます。

一方で、栗などはすぐに食べてしまう傾向があり、保存にはあまり向かないことをエゾリス自身が理解しているようです。

このような貯食行動は、エゾリスが冬眠しない動物であることとも深く関係しています。

動き続けなければならない冬を生き抜くために、秋のうちにしっかりと食料を準備しておく必要があるのです。

秋に集める主な食材 特徴とポイント
オニグルミ 殻が固くて虫が入りにくく、長期間保存できる。
ドングリ 各種樫(カシ)や楢(ナラ)の木から実る栄養豊富な木の実。
栗(クリ) 保存に不向きなため、基本的にはその場で食べる傾向。
マツボックリの種 乾いた場所に運び、バラして食べるか保存。

冬に掘り起こして食べる実

エゾリス食べ物冬

冬になると、雪に覆われた森の中でもエゾリスは活動を続けます。

そしてこの時期、秋に埋めておいた木の実を、雪を掘り返して探し出します。

驚くことに、エゾリスは積雪が50〜60cmにもなるような場所でも、正確に貯蔵した場所を見つけ出すことができます。

においや地形の記憶など、さまざまな感覚を使って位置を特定していると考えられています。

また、すべての実を見つけられるわけではなく、一部は土の中に残されたまま春を迎えます。

その結果、翌年にその木の実が芽を出し、新しい森の命へとつながるのです。

このような自然のサイクルの一部を担っている点でも、エゾリスはとても重要な存在といえるでしょう。

一方で、冬の間は食料が不足しやすく、動きも制限されるため、出歩くのは2〜3日に一度程度になることもあります。

掘り出した木の実は、無駄なくすぐに食べることが多いです。

冬の寒さの中、エゾリスが一生懸命に食べ物を探している姿は、とてもけなげで力強いものです。

冬に掘り起こす食材 内容とポイント
オニグルミ 保存性が高く、冬の主食。落ち葉の下や木の根元に多く隠されている。
ドングリ 一部は腐りやすいため、早めに食べる傾向がある。
松の種子 雪の少ない場所では、松ぼっくりごと掘り出すこともある。
春に芽吹く木の実 忘れられた実が森の再生に役立つ。

エゾリスの食べ物と生態の関係

エゾリスが忘れた餌

エゾリスの巣と食料の保管場所

エゾリスの巣

エゾリスは、冬眠をしない珍しいリスの仲間です。

そのため、気温が氷点下になる北海道の冬を安全に生き抜くために、「巣」と「食べ物の隠し場所」の両方がとても大切になります。

まず、エゾリスの巣について見てみましょう。

エゾリスは主に木のうろ(幹の穴)や枝の分かれ目など、比較的高い場所に巣を作ります。材料には、落ち葉、枯れ草、苔、小枝などを使い、内側はふわふわに仕上げて保温性を高めています。

特にメスのエゾリスは、子育てのために衛生的であたたかい場所を選び、出産後も何度か引っ越しをしながら子どもたちを守ると言われています。

また、エゾリスは巣を1つだけではなく複数持っていることが多いのも特徴です。これは、天敵の気配を感じたときや、巣の中が不衛生になったときなどにすぐに移動できるようにするためです。

そして、もうひとつの工夫が「食料の保管場所」。

エゾリスは秋のうちに、クルミやドングリなどの木の実を集めて、土の中や落ち葉の下、木の根元や枝の股など、あちこちに分散して隠します。

このように、食べ物を一点集中で隠すのではなく、広範囲に貯めることで腐敗や盗難のリスクを減らしているのです。

驚くことに、雪が深く積もった冬でも、エゾリスは記憶や嗅覚を頼りに自分の隠した場所を正確に掘り当てることができます。

これらの巧みな行動が、エゾリスが厳しい冬を生き抜くための大きな支えとなっているのです。

巣と保管場所の特徴 内容とポイント
巣の場所 木のうろや枝の分かれ目など、外敵から見つかりにくい高所に設置されることが多い。
巣の素材 落ち葉、枯れ草、小枝、苔などを使用し、ふわふわで断熱性の高い構造。
巣の数 一匹が複数の巣を使い分け、状況に応じて引っ越しを行う。
食料の保管方法 クルミやドングリなどをあちこちに分散して隠す「貯食」スタイル。
掘り起こしの工夫 嗅覚と記憶力を使って、雪の中からも正確に見つけ出す能力がある。

巣箱とエサ台の設置ポイント

餌台とエゾリス

自然との共生を楽しみたい方の中には、エゾリスのために巣箱やエサ台を設置してみたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。

実際、きちんと配慮して設置すれば、エゾリスにとっても人にとっても安心で心温まる関係を築くことができます。

まず、巣箱の設置で大切なのは「安全で快適な場所に作ること」です。

巣箱の入口の穴は直径8cm程度が目安で、中はある程度の深さがあるとエゾリスも安心して利用できます。

そして、設置する場所は落葉樹ではなく常緑樹(冬でも葉が落ちない木)の方が、目隠しにもなり、天敵の目から守られやすくなります。

また、巣箱の高さは2メートル以上が基本。湿気がこもりにくいように、南向きや日当たりの良い場所を選びましょう。

風通しも大切です。エゾリスが自分で巣材を運び込めるように、近くに落ち葉や枯れ草がある環境も理想的です。

次にエサ台ですが、これは慎重な判断が必要です。

自然に近い形で観察したい場合は、エゾリスが警戒しない静かな場所に設置し、オニグルミやヒマワリの種、カボチャの種などを置く程度にしましょう。

ただし、野生動物への餌付けは地域によっては禁止されている場合もあるため、自治体のルールを事前に確認することが大切です。

また、エサ台を設置するなら、こまめに掃除をして清潔に保つことも忘れてはいけません。放置されたままだとカビが生えたり、他の動物が集まってしまうこともあります。

何より大切なのは、人間の都合で接しすぎないこと

エゾリスが本来持っている野生の習性を壊さず、「見守る距離感」を保つことが、共存への第一歩です。

設置のポイント 内容と注意点
巣箱の大きさ・入口 深めの構造で出入り口は直径8cm前後が適当。断熱性の素材が望ましい。
設置する場所 常緑樹・南向き・風通しの良い2m以上の高さが目安。
エサ台の設置場所 静かで人通りが少なく、天敵が近づきにくい場所を選ぶ。
与える餌の内容 オニグルミ、ヒマワリの種など自然に近いもの。与えすぎないよう注意。
清掃と管理 食べ残しを放置せず、こまめに掃除することで病気や他の動物の侵入を防ぐ。
法的配慮 餌付けに関する地域ルールを必ず事前に確認。

 

天敵と食べ物をめぐる行動

エゾリスと天敵

森で暮らすエゾリスにとって、食べ物を集めることと同じくらい大切なのが、天敵から身を守ることです。

クルミやドングリなどを集めるとき、エゾリスは常に周囲を警戒しながら行動しています。

エゾリスの主な天敵は、キタキツネや猛禽類、そしてカラスなどです。

特にカラスは、リスが見つけた食べ物を狙って近づいてくることがあり、エゾリスとの間で激しい駆け引きが行われることもあります。

ただし、カラスがリスを捕まえて食べるというのは例外的で、多くの場合は縄張り争いや食べ物の横取りが目的です。

そのため、エゾリスも木の枝をすばやく移動したり、物陰に隠れたりして上手にかわしています。

さらに、エゾリスは食料を複数の場所に分散して隠しているため、ひとつを失っても他の場所で食事ができるように工夫しているのです。

これが、自然の中で生きるための知恵とも言えるでしょう。

天敵と行動の特徴 内容とポイント
主な天敵 キタキツネ、猛禽類、カラスなど
カラスとの関係 食べ物の横取りや縄張り争いが中心で、捕食は例外的
逃げる工夫 木の高い場所へ逃げたり、枝をすばやく渡ったりしてかわす
貯食の効果 食べ物を分散して隠すことで、天敵に奪われたときのリスクを軽減

食べ物の貯蔵と忘却の効果

忘却の効果

エゾリスの暮らしを支えるもっとも特徴的な行動のひとつが、「貯食」です。

秋になると、エゾリスは木の実をせっせと集めては、土の中や木の根元、落ち葉の下などにひとつずつ隠していきます。

このようにして集めた食べ物は、冬の間に掘り出して食べる大切な食料になります。

しかし、すべてを覚えていられるわけではありません。実際には、エゾリスが隠した食べ物の一部は、場所を忘れてしまうこともあるのです。

一見、もったいないようにも思えますが、これが自然にとってはとても意味のあること。

忘れられたクルミやドングリは、春になると芽を出し、新しい命として森の再生につながっていきます。

つまり、エゾリスの忘却は、偶然ではなく、森にとって必要な仕組みのひとつとも言えるのです。

小さな動物の何気ない行動が、やがて森を育てる。

その事実を知ると、エゾリスの存在がより尊く思えてきます。

このブログの最後に、読者の皆さまにお伝えしたいのは、自然は決して無駄なことをしないということ。

エゾリスがせっせと埋めて、そして忘れてしまう木の実。

それは、森を育てる小さな贈り物なのかもしれません。

これから森を歩くとき、そんなエゾリスの姿にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

貯蔵と忘却の特徴 内容とポイント
食料の貯蔵方法 秋に木の実を土の中や落ち葉の下に隠す「貯食」行動
忘れてしまう理由 隠す量が多いため、記憶に限界があると考えられる
忘却の効果 春になると木の実が芽を出し、森の再生につながる
生態系への貢献 エゾリスの行動が、森林の更新や多様性の保持に役立っている

エゾリスの食べ物は季節で違う?1年を通じた変化と行動を総括

エゾリスの食べ物にまつわる一年の暮らしを通じて、その知恵や行動には驚かされることがたくさんあります。春夏秋冬、それぞれの季節に応じた食べ物の選び方や備え方には、厳しい自然の中で生き抜くための工夫が詰まっています。


ここでは、これまでご紹介してきた内容を簡潔に振り返りながら、エゾリスの「食」と「季節の関係性」を総括してみましょう。エゾリスの一年を知ることで、私たちが自然とどう向き合うかのヒントも見つかるかもしれません。

  • 春は秋に埋めたクルミやドングリを掘り出して食べる

  • 新芽や若葉、花のつぼみなども春の貴重な栄養源になる

  • 夏はキノコや果実、昆虫類など多様な食べ物が見つかる季節

  • キノコは夏の重要なタンパク源として利用される

  • 夏のエゾリスは日中も活発に行動し、広い範囲で食べ物を探す

  • 秋にはオニグルミやドングリなどを集めて冬の備えとする

  • クルミは保存性が高く、冬の主食として多く埋められる

  • 栗は保存に不向きなため、その場で食べられることが多い

  • 冬は積雪の中から貯蔵した木の実を掘り出して食べる

  • 雪の下の木の実は記憶や嗅覚を頼りに見つけ出している

  • 掘り起こされなかった木の実は春に芽を出し、森の再生に役立つ

  • 巣は木のうろや枝分かれの高所に作られ、複数持つ傾向がある

  • 食料は一点集中ではなく、分散して隠すことで安全性を高めている

  • 人間の与えるヒマワリの種なども食べるが餌付けには注意が必要

  • 忘れてしまった木の実が森を育てる仕組みの一部になっている

ABOUT ME
ezomofu
北海道在住の女性。
モフモフした動物が大好きで、夫と一緒に、または一人で北海道各地を巡り、動物たちの姿を観察しています。 このブログでは、シマエナガやエゾリスなど、北海道のフワフワで可愛い動物たちを紹介しています。観察スポットや撮影の楽しみ方もお届けしていきますので、ぜひのぞいてみてくださいね。